いつか水になる

観劇(2.5次元舞台メイン)とアフタヌーンティーの感想置き場

「進撃の巨人」-the Musical-

みなさま明けましておめでとうございます。2023年も無事明けまして、最初の観劇はこちら「進撃の巨人」-the Musical-となりました。

 

 

失礼ながらそれほど期待はしておらず、まあ近くでやるしキャストも馴染みの人が多いので行ってみるか~と出かけてみたならば、予想を超えて良かったので感想などまとめてみるかと思いまして。そういえば感想置き場作ってたよなって見てみたら、2021年4月に開設して感想1本も載せてませんでした。年明け早々、自分のダメ人間ぶりを突き付けられてる。

 

まあそんなことは置いておいてミュージカルの話ですよ。最初にお断りしておきますが、こちらネタバレについては一切配慮しておりませんのでご了承ください。前置きが長すぎたので前置きと、感想とで分けました。純粋なミュージカルの感想だけを知りたい方は感想のところまで読み飛ばしてください。

 

データ

日時:2023年01月07日(土) 13:00~

場所:オリックス劇場

座席:3階席1桁列センターブロック

 

前置き

進撃の巨人、アニメSeason 1放送時にどハマりしました。推しキャラは調査兵団のナナバさん。え、誰ですって? 大丈夫です、言われて慣れてるので。調査兵団所属、性別不詳、物腰柔らかな金髪のイケメン(♀)です。知名度低くて二次創作も少ないがために、「ないものは自分で作ろう」精神で創作するまでに至ってしまった魔性のイケメン。気になったら調べてみよう。そしてハマって。

 

おっと話が脱線した。まあそんな風に熱中していた進撃でしたが、クリスタがクリスタでなくなってしまったのをきっかけにちょっと冷めてしまいまして。一応その後もアニメ・原作とも履修はしてたのでストーリーは知っている状態。ミュージカル制作が発表されたときにも「ふーん」程度でした。来夢くんは推しの一人ではありますが、刀剣乱舞くんが供給過多すぎるのでそれ以外の現場は最低限にしたい、と思っていたタイミング。ここは見送り……にしたかったのに、あまりにもビジュアルが良すぎた。

 

エレンもアルミンもいい。あと何より松田凌くんの兵長。巨人はどうするのか、立体起動は。一旦気になったら止まらない。遠征必須なら諦めたと思いますが、場所はオリックス劇場。すぐ行けちゃう。行くしかないじゃん。幸い割と早い段階で先行抽選に当選し、無事2023年の初観劇が進撃になったのでした。

 

その後、開演2週間前になって最前席が追加発売されたことで公式がプチ炎上してました。先行の座席が全体的に後方や見切れ席に当たるような座席が多かったようで。先行枠=良席でないことは理解していても最前席を後出しされるとなるとやはりいい気はしないよなあ、と。更にはその最前席が早速高額転売されてるんだもん。だからと言って既に販売済みのチケットの席振替なんて面倒なこと、現実的でないのも理解はできる。

 

なので個人的には仕方がないとは思いながら、引き当てた席が3階席でやはりモヤモヤ。13000円払ってこれかあ。これって普通A席枠じゃないっけ。後出し最前席と同じ値段でここ……と止まらないブラックな感情。結果的には3階でもどセンターでとても見やすかったので満足はできたんですけど、以前の舞台でもチケット取った後に後出しアフタートーク発表があって。こういうの続くと現場に行くのもういいかな、っていう気にもなってきます。そういうツイートも割と見かける。主催者としては何とか人を集めたい、チケット捌きたい、で販促打つしかないんでしょうけど……それもわかるけど……。

 

あとそこまでしないとチケット売れないの結構びっくりしました。原作が終わって時間が経っているとはいえ、一世を風靡した進撃の巨人。キャストも今や2.5次元界をけん引している岡宮くんを始め、人気実力ある人がたくさんいて。更には大阪公演は冬休み最後の3連休で、中日には大型同人イベントもあるからそれに合わせて来阪する人だって多いはず。なのに。演目が飽和してるのか、舞台やミュージカルに行く人自体が減ってしまっているのか、どっちなんだろう。

 

感想

さて、ようやく作品そのものについて触れていきます。

 

ストーリー

かなり原作に忠実。範囲としてはアニメSeason1 10話辺りまでですかね。変なオリジナルエピソードもなくて原作ファンでも安心して見られる。上手にエピソード拾って、上手に削って。うまいなあ、と感心して観ていればチラチラと頭によぎる実写映画。誰やねんシキシマ。

 

調べたら脚本を担当したのは畑雅文さん。岡宮君主演のブルーピリオド、BANANA FISHを書かれていて、原作付き舞台にも慣れてらっしゃるんでしょう。刀ミュの歌合にも参加してらっしゃった。私の中のお任せして安心できる脚本家さんリストに刻みました。

 

色々忘れてるなと思ったので帰宅後、アニメを流しながらこれを書いてるんですが驚くほど丁寧に作られてる。すごい。そして改めて見ると面白いな進撃。

 

気になったのは今後のストーリーで重要になってくるはずのアニ、ライナー、ベルトルト、ユミル、クリスタがすんごいモブなこと。どこにいた?っていうかアニちゃんとかそもそもいた?? ライナー、ベルトルトは名前は出てくるんですけど、思い返してもどこにいたかわからんレベル。ラストの感じからして採算が取れるなら続編やるんじゃないかと思うんですけど……

 

演出

ミュージカルなので芝居とお歌はありますよね、当然。……いやめっちゃ踊るじゃん。ダンス結構激しいし、立体起動が出てくるのでワイヤーアクションあるし。超大型の手や巨人のエレンは龍踊方式で黒子が動かしたり、トランポリンもあって。空中戦や巨人に食われる演出で映像との整合がものすごく難しそう。とにかく、やることが……やることが多い! 

 

存じ上げなかったのだけど演出家と音楽担当がヒプマイやってる方たちだそうで、なるほど~っていうテンポ感。ダンスも音楽もかっこいいです。

ワイヤーアクションはそれほどスピードはないけど、映像と一緒に飛んでいくのは遊園地のアトラクションみたいで楽しい。ストレート舞台の方では死亡事故が起きてしまいましたからね、安全第一で行きましょう。

 

一方でちょっとだけ残念だったのが巨人の演出。超大型の動きはデパートの屋上なんかにありそうな感があって、チープっちゃチープですが予算的なことを考えればよくできている方でしょうか。世界観にのめり込んで見てて一番スンッってなっちゃったのは、映像で迫りくる巨人。アンサンブルさんがやってるんですけど、割合人間のまんまで。ボディは筋肉の描かれたボディスーツなのに足元は真っ白の足袋みたいなの履いてて、その切替部分がすごく目立つ~~。

 

人が喰われるシーンは役者と映像のタイミングや位置がすごく難しそうで、正直心の目で見ても「いや見せたい形はわからんでもないけどちょっと無理ー」ってとこもありました。でも頑張ってた。気にはなるけど、じゃあ他にどうしたらいいのかって言われたらこれが最善なのかもしれん。公演重ねてこなれて行けば、もっとそれらしく見えるのかもしれないです。

 

エレン(来夢くん)

主演が来夢くんじゃなかったらチケット取ってないので、正直一番楽しみにしてた。そしてその期待は裏切られなかったし、歌唱に関しては期待以上でした。聴くほどに上手になるねえ。あと刀剣乱舞で鍛え抜かれた成果なのか、激しく動いた後でも歌声が乱れない。すごい。なんかもう風格すら感じてしまいます。来夢くん、一体どこまで行くんだろうな。今後も楽しみな役者さんです。

 

アルミン

ビジュアル完璧~~~! アルミンだ~~~!! バリバリの歌ウマ集団の中にあって、唯一ちょっとお歌に不安定さが残る感じではありましたが、そんなの吹き飛ぶくらいのアルミンぶりでした。お歌が上手でないアルミン、それはそれで解釈に合う。

 

ミカサ

すごくミカサ。とてもミカサ。お歌も上手だし、言語力残念な発破のところ、最高でした。かわいい。幼馴染3人ずっと一緒にいて。エレンからもらったマフラーがカーキ色なのなんでなんだろう?

 

ハンジさん

あまりにもハンジさんすぎた。え、ハンジさんだよね?? お歌も最高にうまくて、朗々と歌い上げる様子に宝塚のOGさんかと思ったけどそうじゃなかった。演じている立花さんメインフィールドはダンスのよう。ハンジさんが出てくるたびに周囲の女子たちがスチャッとオペラグラス構えるのが面白かった。気持ちはわかる。私もそうなった。

 

エルヴィン団長

こちらも歌がうますぎるんじゃーーーー! まほやくのヴィンセント叔父上(今拓哉さん)、刀ミュ伊達双騎の政宗公(岡幸二郎さん)の歌を聞いた時を思い出してしまった。音の圧。人の上に立つ人間の風格がある。こんな人がいたらそりゃ従っちゃう。ハンジさんと兵長とのセット感があまりにも良すぎる……。

 

リヴァイ兵長

観劇を決めた理由その2。役柄的にそれほど出番はなかったけれど(兼役でモブ兵士やってたりはする)、さすがの存在感。松田さんアクション得意なのにワイヤーで吊られてると余り動けなそうでもったいない感じはある。

 

歌を歌われている印象はなかったのだけど、普通にうまい。いや、うまいですね??? とにかくビジュアル優勝。喋り方はビジュアルほどは似てないかな~って見てたら、なんかときおりものすごく兵長が出てくる。いや、もうさすがですわ。失礼ながら身長も岡宮くんより低くてらっしゃるのでエレン>兵長で原作再現になってて最高でした。

 

サシャ

最っ高~~~~~~!!! え、嘘めっちゃ好き。サシャのコミカルなとこも、野生動物みたいに身体能力高いとこも完全再現。更にはやっぱりお歌が上手。

 

訓練生が食堂に集まってるシーンで連続前転? いや連続バク転か? ちょっと驚きすぎて記憶が飛んでるんですけど、アクロバット要因で呼ばれた男性アンサンブルさんじゃなくて、女性キャストがそれやる!???ってアクションをなさってて。演じられた星波さんのプロフィール見たら小さい頃から器械体操をされてたようで、なるほどと。いやすごい。才能の塊か。

 

芋盗み食いのシーン、すっかり忘れてたけどみんな大好きで色んなネタに使われてたなあって思い出したり。キース教官との間、とても良かった。

今公演いちばんの驚きは彼女でした。続編やるならぜひとも続投して欲しい。

 

その他

・アンサンブルさん、モブなのにみなさん歌がうまい。気持ちいい。兵団なので人数いないとそれっぽく見えないのもあるだろうけど、かなり人数の多い座組だなって思いました。このご時世なので感染対策大変だろうなあ。おつかれさまです。

 

・コニー、ビジュアル発表の時はウィッグが微妙で誰?って感じだったけど、ご本人が坊主にして臨まれたのもあってちゃんとコニーに見えたし、演技見たら更にコニーだった。コニーとサシャのコンビ最高。

 

・マルコ、すごいお顔きれいじゃない? きらきらしすぎてて、お好きな方には申し訳ないのだけどマルコって正直モブ顔だと思ってるので、モブ顔探して迷子になってた。

 

・ジャン、お顔が細すぎるのかな…あまりジャンっぽいとは思えなかったけど…ビジュアル以外は特に不満ナシです。

 

・グリシャ、さすが唐橋さん。再現度とか馴染み方とか安心以外の何物でもない。出番が限られているので、兼役で巨人にばくーっといかれる聖職者を演じてらしたんですが、それがもう本役より輝いてた(笑)。

 

・ペ、ペ、ペトラちゃんがいる~~~~~!!! 確かに! そのシーン兵長と会話してるのペトラちゃんなんですが、ちゃんとペトラちゃんでやってくれるとは思ってなかった。嬉しい。

 

・え、ナナバさん……?って思ったモブ兵士。髪型がナナバさん。壁外調査に出てた兵士なのでいてもおかしくはなさそうですが、原作ではただの金髪の兵士っぽいから違うかな。てかあれやってたの松田さんでは。ナナバさん好きすぎて幻覚見始めた。

 

・途中で紅蓮の弓矢のアレンジ?が入って、うわ~~進撃だ~~~!!!ってどハマりしてた時の熱が蘇る気がした。音楽の力って偉大。やっぱり進撃といえばこれですよね。

 

オリックス劇場、もともとわりと好きな劇場です。アクセスもさほど悪くないし音響もいいと思う。椅子が固いという意見も見ましたが2時間程度の今回の観劇ではさほど気にならず。お手洗いは混んでましたが、上に行くほど空いていたので混みあってたらいっそ3階まで上るのもありかと思います。

 

1階席は空調が効いていて寒いようですが、私がいた3階席は逆に結構温かくて…観劇日は寒さが緩むと聞いて割合軽めの服装だったので、しっかり着込んでしまうと逆に暑いかもしれません。なんにせよ調整できる服装の方がいいかと。

 

2.5次元舞台だと女性客が圧倒的に多いので、男性用お手洗いが1か所除いて全部女性用に変えられたりしてますが、今回男性のお客さんも多いようで男性用は男性用のままだったようです。

 

総括

予想以上に良かった。とても良かった。エンタメ要素盛りだくさん、歌唱力で往復ビンタされるようなミュージカルが好きなのでその点でも大満足でした。2時間休憩なしって言う、コンパクトにまとまった構成もいい。

 

続編がありそうな終わり方で、制作されるのなら見ようかなと思いました。他に観劇の予定がなかったらリピートしても良かったかもってくらい、満足度高かったです。

ただチケットに関してもやもやした気持ちで見ることになったのが残念で、それくらいなら次は配信でいいかなって。

そういうこと関係なしにニュートラルな気持ちで行ける方なら、進撃の巨人-the Musical-とてもとてもおすすめです。ちょっとグチグチ言っちゃいましたが2023年の観劇始めが進撃ミュで良かったと思います。2023年、またこんな素敵なサプライズをくれる作品と出会えますように。